コミュニケーションが苦手でも介護職で働ける?人との接し方や改善方法

公開日: 2023/05/30

介護職志望だけど、利用者やその家族、職場の同僚などたくさんの人とかかわる職業なのでコミュニケーションをうまく図れるか不安に感じている人も多いかもしれません。介護職では利用者の状況によってコミュニケーションを取るのが難しい場面もあります。ここでは介護職におけるコミュニケーションの必要性や改善方法などについてご紹介します。

介護職においてもコミュニケーションは必須?

介護が必要な高齢者は視覚や聴覚、言語能力が低下することによって情報を伝える力がよくなったり、認知症によって意思疎通が難しくなったりしています。このような状況で、相手の気持ちを察して何を伝えたがっているのか、何を求めているのかなどをくみ取ることが、介護職におけるコミュニケーションの重要性といえます。

話すのが上手であっても相手の話をしっかりと聞くことができなければ信頼関係を築くことはできません。話すのが苦手な場合には、聞くことに重点を置いたコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか。

たとえば、適度な相づちをいれながら話を聞いたり、相手の顔を見てうなずきながら話を聞いたり、共通の話題で盛り上がるのではなく、相手の話を聞くことに集中したりすることです。

何よりも大切なことは、利用者を尊重するということです。相手が聞き取りやすいようにはっきりと大きな声で話したり、言葉だけでなく表情や態度で伝えたりすることで信頼関係が築きやすくなります。

コミュニケーションが苦手でも介護職で働くためのポイント

コミュニケーションを取るのが苦手でも介護職に就くためのいくつかのポイントについて見ていきましょう。

求められているコミュニケーションの種類

比較的元気な利用者が多いデイサービスや住宅型有料老人ホームと、特別養護老人ホームと介護老人保健施設では求められるコミュニケーションが異なります。

前者では、楽しい世間話などを求められることが多く、後者では認知症の利用者とのコミュニケーションや家族との会話のようなものが求められることが多いです。

非言語コミュニケーションの活用

言語以外の、目線を合わせて笑顔で接する、うなずいて共感を示す、身振り手振りを会話に交えるなどの非言語コミュニケーションのほうが相手に与える印象に影響することが多く重要です。

質問の方法

食事や着替えなど生活の基本的な動作を行う場合には「はい」か「いいえ」で答えられるような質問を、反対にお願いや思い出など利用者の感情などについて自由に話してもらいたいときは「何が~ですか」や「どんなことが~でしたか」のような5W1Hを問う質問をしてみましょう。

意識づけ

認知症が進行した利用者はとくに視野が狭くなっていることがありますが、ほかの利用者に対してもまずは名前を呼んで、自分のことだと意識してもらうと反応がよくなります。

視界の正面に入るようにしてアイコンタクトを取りながらコミュニケーションを図りましょう。

傾聴

利用者の話す内容に対して判断や助言をするのではなく、しっかりと聞きましょう。聞いてもらうことで満足感を味わってもらいます。沈黙が続いても焦らずに、相手のペースに合わせて話を聞くことを心がけましょう。

共感

自分の価値観を相手に押し付けるのではなく、話を聞いて内容を受け止めてからまずは共感してあげましょう。共感を示すことで相手が心を開いてくれるケースが多いので、それからコミュニケーションを取るのがコツです。

コミュニケーションに不安があっても介護職で働くための改善方法

コミュニケーションに対する不安を克服する方法はさまざまです。改善方法を仕事に取り入れていくことで少しずつコミュニケーションを楽しめるようになるでしょう。

相手の目を見る

会話の際に緊張しやすい人は相手の目を見て話すのが苦手なことが多いです。視線を合わせることでコミュニケーションが快適になる可能性があります。

非言語コミュニケーションである視線やしぐさなどからも気持ちは伝わります。目を合わせて笑顔で話すことで心を開こうとしていることが伝わるので、お互いにコミュニケーションを取りやすくなります。

車いすやベッドでは、しゃがんで目線の高さを合わせることで、自分に気をかけてくれているという安心感にもつながります。

相づちを打つ

会話の際に相づちを打ってくれると、自分の話を聞いている、共感しているという気持ちを感じられます。自分の話に関心や興味を持たれてうれしくない人はいません。相づちとアイコンタクトやうなずきを合わせることで好印象を与えられます。

まとめ

利用者とのコミュニケーションが苦手と感じている人でも、コツをつかんで前向きに続けていれば苦手意識を克服することは可能です。コミュニケーション能力を磨くことで、不要なトラブルを回避できたりスムーズなケアが行えたり、利用者の生活の質向上にもつながります。

まずは一人で抱え込むのではなく、コミュニケーションにおいて自分はどんなことが難しく、何が原因でそうなっているか、どうすれば解決できるかを話し合ってみてはいかがでしょうか。