介護職への転職でよくある失敗とは?理由と対策を解説

公開日: 2023/08/15

すでに超高齢化社会を迎えた日本では、現在も介護現場で人手不足が続いています。有効求人倍率を見ても、相変わらずの高水準をキープ。今後、介護職への転職を目指すみなさんには追い風といえるでしょう。成功には事前の対策が不可欠です。今回の記事では、その一環として、よくある失敗例を挙げながら、理由などについても解説します。

介護職への転職でよくある失敗例

厚生省発表データ、2022年1月分の職業別一般職業紹介状況によれば、介護サービス業の有効求人倍率は3.68倍となっています。数字を見てもわかるように、社会全体における介護職の需要は相変わらず高いままです。求人件数の豊富さを背景に、異業種からの転職先として、まず候補におさえる人も多いことでしょう。

特別な資格や経験が必要ない求人がたくさんあるのもメリットです。たとえば、介護福祉士や介護職員実務者研修、介護職員初任者研修などの資格を取得するためには、それなりに時間がかかります。個人的な事情により今すぐに転職したい場合、介護職は願ってもないチャンスかもしれません。

一見するとバラ色の未来のようですが、もちろん、望み通りにいかないのが現状です。介護職への転職にも失敗例はいくつもあります。

最も一般的なのは、想定したよりも体力的にきつい、ということです。介護の現場では、身体介護と生活援助がメインで、前者は身体的接触をともない、後者は触れずに身のまわりの世話に留まります。業務上、長時間の立ち仕事もあり、利用者目線で世話するため、屈んだりする場面も多く、腰や足腰の負担も相当なものです。

当初思い描いていた理想と、現実のハードな仕事量、連日の忙しさとの間に埋めがたいギャップが生まれ、体力的、精神的につらなくなって辞めてしまう人も少なくありません。

このほかにも、前もって説明された勤務条件と実際の現場での待遇が食い違っていたり、職場でのストレスフルな人間関係に悩まされたり、そもそも介護職への覚悟が定まっていなかったり、転職失敗にはさまざまな理由があります。

介護職への転職で失敗しないために気をつけるべきポイント

では、失敗しないためには、どんな対策が必要なのでしょうか。注意すべきポイントをいくつか確認しておきましょう。いちばん大事なのは、転職するにあたって自身の希望条件をはっきりさせておくことです。

具体的な仕事内容をはじめ、福利厚生を含めた給与体系、事業所の規模、職場までの通勤距離など、優先項目を事前にリスト化しておくと、自分の中にひとつの明確な基準ができます。この物差しに照らし合わせたうえで、より多くの条件を満たす職場ほど、みなさんにとって働きがいのある転職先になるはずです。

次に、複数の候補先を念入りに比較検討することが挙げられます。介護職は、ほかの業種に比べても求人数が多く、売り手市場といわれるほどです。余りある選択肢に目を奪われて、すぐに飛びつきたくなるところですが、狙い通りの転職を実現させるためには、絞り込みのプロセスが何よりも重要になります。

自分のなかの優先順位をもとに、取捨選択するのが成功への近道です。もちろん、介護職に対する理解、社会的な意義などについても、しっかり自覚できるとよいでしょう。体力だけでなく、精神的にも大変な仕事ですが、自分なりにやりがいを見いだせれば、天職になる可能性もあります。

転職エージェントの活用や自己分析の重要性

ひとつの仕事に心して取り組む場合には、自分と向き合うこと、つまり、自己分析の作業が欠かせません。自己分析することで、仕事をするうえで、自分がいったい何を望み、大切にしているのか、あるいは、得意なことや苦手なことも同時に見えてきます。

長年、何となくぼんやりしていた価値観や考え方がクリアになり、将来に対する見通しが明るくなることもあるでしょう。あとは、自分にとっての優先事項を軸にして、進むべき道を歩んでいくだけです。

自己分析に加えて、介護職専門の転職エージェントをフル活用するのも大いに役に立ちます。将来のために転職しても、自分の能力を発揮できる環境でなければ、それこそ宝の持ち腐れです。

転職エージェントでは、個人のリサーチだけでは届かない非公開求人も取り扱っていて、知る人ぞ知る好条件の転職先と巡り合うこともあります。その際は、あらかじめ自己分析を済ませておくと、以前よりもスムーズに、自分にふさわしい候補先が探せるはずです。

まとめ

遠い昔だと思っていた超高齢化社会が、いつの間にか、現実化し、時代的に重要なテーマになっています。今後も引き続き、介護職のニーズは高水準のまま推移していくでしょう。

転職で成功するためには、失敗するパターンをいくつか知っておくことが肝心です。今回の記事では、想定外の勤務内容のきつさ、労働条件や環境の食い違い、介護に対する思慮の甘さ、などの理由を紹介しました。

逆に、以上の要素を避ければ、望み通りの転職へと一歩近づくともいえます。自己分析や転職エージェントなども利用しながら、希望条件を基準化し、複数の候補を見極めたうえで、理想の転職先を見つけてください。